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そろそろ提出してほしいです・・・

 投稿者:k  投稿日:2007年 4月27日(金)00時25分49秒
  第1回と第2回の方はどうですか?
とりあえず、現状を知りたいので
第1回の方だけでも出せるようなら出して下さい。
 
 

遅ればせながら。

 投稿者:  投稿日:2007年 3月21日(水)23時42分1秒
   卒業おめでとうございます。
 2007年度電波研には、是非とも誰もが大いに活用できる掲示板づくりを目指して欲しいと思います。
 兎にも角にも、我ら電波研2006年度卒のみなさま、お疲れ様でした。
 そして、これからはそれぞれの新しい環境で、また頑張っていきましょう。
 

卒業おめでとうございます

 投稿者:k  投稿日:2007年 3月17日(土)01時10分51秒
  卒業おめでとう御座います。
これから色々と大変だと思いますが、
電波応用研究室を見守っていて下さい。

それと、今度は皆さんが先輩になるので、
よろしくお願いします。m(_ _)m
 

卒論ひとまず終了

 投稿者:O  投稿日:2007年 1月23日(火)15時47分44秒
   YHAAAAAAAAA!!!

 卒論終わりました。あとは他の人と繋げて図番を入れ、チェック受けるだけです。

 2月1日、2月2日は会社のほうで研修があるので、卒論発表練習は2月5日のほうに参加します。
 

卒論発表練習について

 投稿者:k  投稿日:2007年 1月22日(月)16時34分31秒
  2月2日 13時に卒論発表練習をしたいと思います。
パワポを用いて実際の発表と同じような感じでやりたいと思います。
都合がつかない人は、
2月5日 13時
にやる予定です。
 

概要提出日まであと少し

 投稿者:k  投稿日:2007年 1月18日(木)17時10分20秒
  1月22日 16時 までに概要提出です。
写真と1000円を忘れないようにして下さい。
 

実験

 投稿者:O  投稿日:2007年 1月17日(水)14時43分4秒
   実験中。LEDが逝っちまったぜ。どうしよう。  

日本語ミス

 投稿者:  投稿日:2007年 1月14日(日)23時00分49秒
  バラバラ~最終話~より
「スクリーンは口元に薄く笑みを浮かべるとそのハンドルの中央部にある『F原がそうしたように』クラクションのボタンを深く押し込んだ」

ではなく、

「スクリーンは口元に薄く笑みを浮かべるとそのハンドルの中央部にあるクラクションのボタンを『F原がそうしたように』深く押し込んだ」

ですよねえ。まあ細かい文法ミスはまだまだいっぱいありますが寛大なお心で許してくれ。
 というわけで今回が最終回。実にやる気のない投げやりな最後。気にするな。
 

バラバラ殺スクリーン事件~最終回・繰り返す螺旋の神話篇~

 投稿者:O  投稿日:2007年 1月14日(日)22時34分40秒
   ガンダムの胸元つまり操縦席にビームサーベルがずぶずぶずぶと突き刺さっていく。
 操縦席にいるH越は狂気に染まった瞳で見た。ビームサーベルの高エネルギー状態にあるフォトンを保持していたミノフスキー粒子の立体格子(Iフィールド)が空中でばらばらと分解され、その光り輝く帯電した粒子のひとつひとつがH越の背後にある青いビニールシートの下に流れ込んでいくのを。
 操縦席の脇に立ちすくむF原はビームサーベルにじりじりと体を焼かれながら、驚愕の眼差しで見た。脱出ボタンを押下しようとした自身の腕を掴んでいた真っ白い手。それが映画アダムスファミリーに見たような『手』だけの存在であるということを。
 操縦席は分解されたミノフスキー粒子の眩い瞬きに満たされた。H越とF原は光の海の中にいるような錯覚を起こした。ミノフスキー粒子はまるで生き物のように空気中をうねっている。不意に母の胎内にいた胎児のころの記憶を喚起させられてF原は愕然となる。
 そして光に包まれながら自身の体を構成する有機分子がちりじりに流離していく様を2人は知覚した。それはまごうことなき死の体験だった。
 帯電したミノフスキー粒子は空中を踊り、ときおり目を焼かんばかりの強い光を発しながら新たな立体格子を構築した。H越はそれを糸だと思った。
 実際、そのミノフスキー粒子が形成した物質は光輝く細い糸に似ていた。それが空中をふわりと舞い、ばらりと更に細い何本もの繊維に分かれたかと思うと、その数多の先端がビニールの下にあった63個のスクリーンの体とF原の腕を掴んでいた『手』を宙に持ち上げた。
 繊維は競い合うようにしてスクリーンのバラバラになった体に群がった。
 切断面にぶすぶすとその先端が突き刺さっていく。
 そして光の海の中、何かの意思に導かれるように繊維と繊維が絡まりあい繋がりあい溶けあってスクリーンの肉体を復元していく。
 このときH越とF原の体は分解され、もう肉体としてはこの世に存在していなかった。だから二人に残されたのは精神もしくは魂ともいうべき意識だけだった。二人の体の有機分子は分解されてスクリーンの肉体の一部として新たな生命活動を始めていたのだ。
 ガンダムの心臓部でスクリーンは肉体の完全な復元を果たした。
 がちん、と音がした。衝撃がガンダムを揺らした。ビームサーベルの柄の部分がガンダムの胸に達したようだった。
 スクリーンの心臓が、どくん、とひとつ脈を打った。ひとつ、またひとつ。次第にそれはリズミカルに動き始める。体中を駆け巡る血液が循環し始めた。すう、とスクリーンの蒼白だった顔に朱がさした。
 睫毛が震えたかと思うと、閉じていたスクリーンの目がゆっくりと―――開かれた。

―――その頃、電波屋敷では。
「…え」
「なんだって…?」
 電波屋敷の居間にはS野、T島、K添、M下、S田、マスターYがいた。みなそれぞれが似通った表情をしてO田を見ていた。
「犯人なんか最初から居なかったんです」O田が先ほど彼らを硬直させた言葉を繰り返した。
 名探偵O田は事件の真相を教えてやると言って、電波屋敷にいる人間を居間に集合させたのだ。そして緊張した眼差しに見つめられている中、O田はあろうことか開口一番「犯人はいない」と、そう言ったのである。
「…そ、それではあのバラバラ死体はどうなる?」忘我の彼方からやっとのことで立ち返ったK添警部が説明を求めた。
「そ、そうですよ。あれは完全な密室でした」M下警部補がおろおろして自分の手帳をぺらぺらとめくった。「そそ、それともまさか、どっ、どこか私たちの捜査に穴があったとでも」泣きそうな顔になった。
「いえ。あなたがたの捜査は完璧でした。つまりあの蔵は完全な密室でした」
「まさかスクリーンは自殺だったなんて言うんじゃないだろうな…ハッ! 馬鹿な。スクリーンは他殺だ。誰かがぼくの愛しのムーサを残忍な方法で殺したのだ。ん。ほええん。わかったぞ。犯人は貴様だな、O田。自分が犯人であることを隠そうとして、そんな虚言でぼくらを混乱させようとしているのだろー。返せっ。ぼくのスクリーンを返せよっ」S野が憤怒の形相でO田に迫った。
「はあ。なにを言っておるのですか。自殺だって? 自分で自分の体をバラバラにできる方法があるならそれこそ教えて欲しいもんですな。それに俺が犯人のわけがないでしょう。だって彼女が死んだ頃、俺はこの屋敷にすらいなかったのだから。あなた馬鹿ですか」O田は軽蔑した眼差しでS野を見た。
「なっ、な。き、きさっ、きさまっ。ばばっ、ばっ、馬鹿だとっ。こ、このっ」S野が顔を真っ赤にしてO田に殴りかかろうとした。
「まあまあ待ちなさい。もっと詳しく説明してもらおうじゃないですか」T島がS野を制止した。「殴るかどうかはその後にでも決めればよろしい」
「姦通」とS田。
「その通りだ」マスターY「…とS田は言っています」
 名探偵O田はひるむことなく、寧ろ余裕をもって話し始めた。
「なあに。簡単な推理ですよ。蔵は完全な密室だった。S野さんが開けるまで蔵はずっと開かずの蔵だったし、どこかに抜け穴があるということもなければ、バラバラにした死体を後から投げ込めるような隙間もない。そして完全な密室の中でスクリーンはバラバラになって死んだ。これが真実です。犯人なんかいないし、トリックもありません」
「はっ! 馬鹿な。いきなり蔵の中にバラバラになったスクリーンが現れたとでも言うのかね」K添警部があざ笑った。
 しかしO田は大真面目に頷いた。
「そう。その通りですよ、K添警部。彼女はあの場所にいきなり出現したんです。バラバラになってね」
「けっ! 何が推理だ。このエセ探偵が。偉そうにしやがって」S野が舌打ちした。「真面目に聞くまでもないぜ」
「いいえ。これはただの推理ではないのです。ちゃんとした根拠もあるんですよ」O田はにやりと笑って一人の人間を指差した。「その根拠とは、彼です」
 全員がO田が指差した人間…いや、緑の皮膚をした異性人風の男を見た。
「どういうことだい?」マスターYが目つきを鋭くした。「私が犯人ではないと言ったのは他ならぬ君だろう?」ライトセーバーの柄に手をかける。
「まあ落ち着いて。誰も犯人が貴方だ何て言ってないでしょう。何度も言っているように、スクリーンを殺した犯人なんか居ないんですから。だから俺はマスターY、あなたの存在こそが、犯人がいないことへの確たる根拠になりうるのだと、そう言いたい訳なのです」
「どういうことですか。私にはまださっぱり分かりませんな」T島が首をかしげた。
「マスターY。あなたは非現実的な存在だ。現実にあるはずのないフォースを操り、ライトセーバーを駆使する。それはこの物語に引かれた非現実性のラインを示しているのですよ。つまり彼が存在できる程度の虚構は、この物語では許容範囲内の事象なのですよ。さて、マスターY、あなたの知る科学技術の中に瞬間移動は含まれますか」
 マスターYは顎に手を当てて考えた。
「ふむ。瞬間移動というほどのものではないが、空間歪曲航法による宇宙空間移動法は確立されている。私もそれを使って地球にやってきた」
 空間歪曲航法とは空間を捻じ曲げることで任意の二点間の距離をゼロにして他の空間座標にジャンプする宇宙空間移動法の一つである。
「だが、その方法でも遮蔽物となる蔵の壁を破壊せずに飛び越えることは不可能だ。大掛かりな装置もいるしな。ここにそんなものはないだろう?」
「もちろんです。だからこれは空間歪曲航法を利用した殺人というわけではない。しかし、そのレベルの科学力が許容範囲であるならば…」
「なんでもありだな」K添警部がううむと唸った。
 そのときである。低い地鳴りのような音が聞こえ、大地が震撼し始めた。
 ずずーーん。爆音。
「なんだっ!?」「地震か?」「いやちがうこれは―――」
 S野が呟いた。
「―――外だ」
 K添警部がまず駆け出した。それにM下警部補が続いた。
「中出しは危険だ」S田が真剣な表情で言った。「でちゃうっ」
「中にいるのは危険です。出ましょうっ」マスターYがライトセーバーで壁に穴を開けて外へ出る近道を作った。
 T島、S野、S田、マスターY、O田がその穴から外に飛び出した。
 五人は外に出るなり目を丸くした。電波屋敷にかかる巨大な影。
 遅れて玄関からK添警部とM下警部補が出てきた。そして二人は上を仰ぎ見た。
「…ガンダム」T島が呆然とそう呟いた。
「あ、あれを見ろっ」M下警部補が指をさして叫んだ。「ガンダムの胸の辺りだっ」
「そ、そんな馬鹿な…」T島が目を擦って見上げた。
 ガンダム胸部には穴が開き、操縦席が丸見えになっていた。
 そこに立ってこちらを見下ろしていたのは。
「スクリーン…?」S野が涙ちょちょぎらせて叫んだ。「スクリーーーーーーーーン!」
 スクリーンはS野を一瞥した。そして、それ以上の関心を示さずにスクリーンは目線を自分の手元に落とした。そこには煤けた操縦桿(ハチロクのハンドル)がある。
 スクリーンは口元に薄く笑みを浮かべるとそのハンドルの中央部にあるF原がそうしたようにクラクションのボタンを深く押し込んだ。
 ガンダムがその形態を変化させる。見る見るうちにその形状は彼らの“よく見慣れたもの”に変化した。
「な、なんと」「あれは…」「馬鹿な」「陰毛」
「ら、螺旋型スクリーンだっ」
 ただその大きさは研究室にあるそれとは比べ物にならないほど巨大だった。
 スクリーンが操縦席でツマミをまわした。すると巨大螺旋スクリーンはギチギチとゆっくり回りだしたかと思うと高速に回転し始めた。
 すさまじい風が吹き荒れる。
「ス、スクリーン。どうしたんだ一体」S野が巨大螺旋スクリーンによろよろと近づいた。
「危ないっ」誰かがそう叫んだときにはもう遅かった。S野は強風に吹き飛ばされて上空32メートルに投げ出され、そのまま自由落下して巨大なひき肉製造機に突っ込んだ。
「ぬべら」死んだ。
 逃げろ、そう叫んで自分も逃げ出そうとしたO田は「逃げっぺ」誤って自分の舌を噛み千切り死んだ。
 T島がポケットからスカウターを取り出して片目に装着した。螺旋型スクリーンの戦闘能力を数値化する。
「100回転…200回転…馬鹿な。まだ上がるだと」
 スカウターが割れた。「痛いっ」破片が目に突き刺さった。
 T島が痛みにのた打ち回っているところに螺旋型スクリーンが近づいてきた。
「ホロ」死んだ。
 K添警部とM下警部補が揃って逃げ出した。M下警部補がK添警部の足を引っ掛けた。「このやろう」K添警部はM下警部補のズボンにすがりついた。「ああっ」M下警部補のズボンがすっぽーんと脱げた。ふたりはもつれ合って倒れた。
「「げ」」二人とも死んだ。
 螺旋型スクリーンがマスターYに近づいてきた。マスターYはライトセーバーを抜刀した。屁っぴり腰でおずおずとそれを突き出す。「ひい」弾かれた。
「スターウォ」死んだ。
 S田はにやりと不敵に笑った。
「腹上死が理想でした」死んだ。
 巨大な螺旋型スクリーンの回転はやむどころか更に更に早くなり、巨大な竜巻を起こした。

ゴオオオオオオオオオオオオオオ
               オオオオオオオオオオオオオ
                            オオオオオオ
                    オオオオオオオオ
            オオオオオオオオ
       オオオオオ
    オオオ
       オオオオオオオオ
               オオオオオオオ
                      オオオオオ
                  オオオオ
              オオオオ
            オオ
              オオオ
               オ

 回転数は二次関数的に上昇し続け、その回転速度はやがて光速に近づいていく。スクリーンの質量が無限大になる。それでもミノフスキー粒子の加護を受けた螺旋型スクリーンは壊れない。地球上の物質が吸い寄せられて、その三枚刃につぎつぎと分解されてゆく。
 やがてスクリーンの周囲を流れる時間が遅くなってくる。
 宇宙にある物質をすべて吸い尽くす。宇宙が収縮していく。
 そして、螺旋型スクリーンは光速の壁を突破した。
 スクリーンの周りの時間が逆行し始める。螺旋型スクリーンによって分解された物質は瞬く間に再生を始める。ビッグバン。原子のスープが光の速さで拡散していく。天地開闢。宇宙の創世記だった。
 それはタイムリープ。
 いくらミノフスキー粒子によって護られた体であるとはいえ、スクリーンの生身の肉体は時間遡行の負荷に耐え切れない。螺旋型スクリーンが光の壁を越えて時間を2日間逆行した時点で彼女の体はついに砕け散った。ちなみにこの時間、もともとその時間軸にいたスクリーンは、現世に死して回帰したスクリーンとの二重性を世界が拒絶したために、姿を消した。
 ぼとぼとぼと。
 スクリーンはバラバラになって死んだ。
 埃とカビの匂いに彼女の濃密な血のにおいが混じる。

 そこは薄暗い影横たわる開かずの蔵の中だった。
 

バラバラ殺スクリーン事件~第4話ユー・やっちゃいなよ篇~

 投稿者:O  投稿日:2007年 1月 7日(日)16時06分8秒
   S田がK添警部とM下警部補に事情聴取を受けているころ。蔵ではバラバラ死体の搬送作業が着々と進められていた。
 青いビニールに包まれたバラバラ死体を運んでいるのはF原とH越である。
「そういえば正月明けのニュース見た?」H越がビニールの端を慎重に抱えなおしながら言った。「バラバラ殺人事件があったらしいよ」
「ああ、知ってる。2浪予備校生21歳の兄が、妹に『夢がないね』と言われたことに腹を立てて殺害、バラバラにして血を抜き取り、箪笥だかクローゼットだかの中に隠したってやつでしょ? しかし、まさかこんなことになる何てなあ」F原が溜め息を吐き出した。「図らずもこの小説、時事ネタになってしまったわけですが」
「こういうのってやり辛いんだよねえ」H越も嘆息した。「下手なことを言うとブラック過ぎて笑えなくなりそうだし…あっ」
 ぼとっ。
 H越が俯いた拍子にビニール袋の隙間からスクリーンの切断された乳房が落ちた。
「おいおい。言ったそばから何やってるんだよ。気をつけろよ」F原はしゃがみ込むと落ちた乳房を拾った。「あーあー埃まみれだ。ふーふー」息を吹きかけてぱっぱっと軽く払う。「これでよし」
「悪い悪い。ところでさあ」H越は納得がいかないといった表情を浮かべた。「まったくもって、いったいこの小説は何がしたいんだろうね」
 F原はつまらなそうに言った。
「さあ。ぼくにも分からないよ。小説であるからには文学的な意味があってしかるべきだと思うけど。でも、たぶんだけど、本当のところ、この小説には意味なんかないんじゃないかなあ」
 死体を輸送するための車が電波屋敷の前に止まっている。二人は死体を地面に下ろした。F原がポケットから鍵を取り出して車後部の荷台を開いた。
「意味のない小説なんて、あっていいのかなあ…よいしょっと」
 H越とF原はビニール袋を持ち上げて車に投げ込んだ。
「たぶん最初は面白半分で書いたんだろうけどね。2話目を書いてからというもの引っ込みがつかなくなってしまったんだと思う」
 バタン。荷台を閉じると二人は車に乗り込んだ。
「しまった」運転席に座ったF原は困った顔をしてハンドルを握り締めた。「ぼく、運転免許なんか持ってないぞ」
「気にしないでいいよ。どうせ小説の中だ」H越は助手席に乗り込んでシートベルトを締めた。
「それもそうか」F原はひとつ頷くと、そのマニュアル車をまるで豆腐屋の息子のような熟達さで軽快に操り始めた。
 死羽裏村を抜けるにはタイトなヘアピンが連続する峠を越えなければならない。
 しかし一分の危うげもなく華麗にドリフトを決めながら死体をのせたトレノAE86、通称ハチロクはゆく。
「ねえねえ」H越はちょっと浮き浮きした様子で聞いた。「この小説のさ、犯人は誰だと思う?」
 F原はそんなH越を呆れた顔で見つめた。
「やめとけって。ミステリー要素には期待しないほうがいいよ。どうせ絶対最後で裏切られるんだから。とはいえ、うーん」F原はハンドルを切りながら考えた。「いまのところ、誰もが犯人になりうるんだよね。これじゃあ特定のしようがない」
「マスターYが犯人じゃないってことだけは前回の話で分かったけど。それ以外の情報は皆無だもんなあ」
「でも前回の展開から類推すると、間違いなく次回が解決篇なんだろうし」
「このままで大丈夫なのかなあ。もっとこう、さ、アリバイとか過去にあった痛ましい事件だとか、憎悪渦巻く人間関係とかさ、必要なんじゃないかなあ。説得力がないよ」
 H越は不満げに唇を尖らせた。
「じゃあさ」悪戯を思いついた子供の表情でF原がニヤリと笑った。「ぼくたちで勝手に作っちゃおうか」
「ええっ。ぼくたちで?」
 H越は目を丸くした。
「そ、そんなこと、できるのかい? い、いや、たとえできたとしても、ただの登場人物に物語を改変されることが、許されるのかい?」
 言葉とは裏腹にH越の声は弾んでいる。
 F原は頷いた。
「なあに。大丈夫だよ。なぜならぼくたちは物語の中にいて、これが小説だということを知っている存在なんだから。つまり逸脱しているんだ。ぼくらは。現に死羽裏村から一歩外にいる存在として記述されている。そうだ。まるで神のように事件を俯瞰する位置にいるんだ。だったら物語の主軸を湾曲することさえ容易だ」
「ほ、本当だねっ。本当にそんなことができるんだねっ」H越はずっと欲しかったおもちゃを与えられた子供のような眼差しをしてシートの上でぴょんぴょん飛び跳ねた。
「ウソだと思うなら試してみたらいい」F原が苦笑した。
「だ、だったらさ、例えば、この乗り物をさ、車じゃなくて…ガンダムにすることも」
「できるさ」F原がクラクションのボタンを深く押し込むと、ハチロクは見る見るうちに巨大なロボットへと変身した。
「すげっ。モビルスーツだっ」H越ははしゃいでいる。こんなH越は研究室の誰だって見たことがないだろう。
「操縦してみるかい?」F原が席を立つ。
「い、いいのかい?」H越はじゅるりと舌なめずりした。
「ユー・やっちゃいなよ」F原が歯を光らせて親指を立てた。
「H越、行きまーす」
 H越は操縦席に飛び移ると、操縦桿を握り締めて躊躇うことなく前に倒した。
 するとガンダムが前のめりになって走り始めた。
「ははははは。我はニュータイプなり」
 H越は意味もなくガンダムにビームサーベルを抜刀させた。そして目の前の山を突き崩した。
 ずずずーん。
 野生動物たちが悲しげな顔をして山を追いやられていく。
「ひれ伏せ崇めよ。我はニュータイプなり。けけけ。ニュータイプ。けけけけけ」
 H越は怪鳥のような雄たけびを上げている。
 F原は破壊衝動に身をゆだねているH越を見ながら、なんだかガンダムにリアリティがないぞと思った。ははあん、おそらく、この小説を書いている著者はガンダムを一度も見たことがないな。だから機体の描写が曖昧で現実味がないのだ。
 それに何を意味するのかということすら知らないまま、なんとなく知っている単語だからという理由だけでH越に「ニュータイプ」と口走らせているから言動がおかしいし、どことなく滑稽なのだ。
「いいぞ、いいぞ。もっとやれ」
 でもまあ、面白ければそれでもいいか。
 F原は内心ゲラゲラ笑いながら、手拍子を打ってH越をあおった。
「いいぞ。もっとやれ」
 ずずーん。ずずーん。どどどどどどど。
 しかしこのガンダムの乗り心地の悪さはいかがなものか。激しい上下運動が続く。だんだんF原は気持ちが悪くなってきていた。
「ひ。ひひひ。ひ。し、し、死ね。みんな死ね。すべてがこの世から、消えてなくなればいい」
 H越は正気ではなくなっているらしい。何かにとりつかれているかのように操縦桿を動かしている。超越的な力に酔いしれているのか。F原はH越の顔を見てそこに浮かぶ感情を読み取ろうとした。焦り…いや恐怖?
 ニュータイプ能力をフル稼働にしてH越はビームサーベルを巨大化させた。
 過剰なエネルギー密度についに耐え切れなくなったガンダム操縦席、赤いランプがまたたき耳障りな警報がビービー鳴りはじめる。
 そしてH越はあろうことか、そのサーベルの切っ先を操縦席につき立てた。
「何してんだバカっ」
 F原は慌てて脱出ボタンに手を伸ばした。
 その腕を、横からにゅっと伸びてきた真っ白な手が止めた。
 F原はぎょっとして驚愕に目を見開いた。振り返った。
「H越っ」悲鳴じみた声を上げた。「H越っ。H越っ」
 しかし、F原の腕を掴んでいたのはH越ではなかった。H越はシートにうなだれて座っていた。
「“逃げろっ”H越っ」
 ビームサーベルが迫り来る。
 赤いランプが回っている。警告音が鳴り続ける。

 F原の腕を掴んでいたのは、バラバラにされたはずの…。
 
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